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[ 2013年1月22日 ] “建設業”ってやっぱり「3K」なんでしょうか?

若い人達が逃げ腰になっており、担い手不足が深刻な建設産業の現状から、少しでも目を向けてもらおうと、「国土交通省、建設産業人材確保・育成協議会」が毎年実施している『“未来を創造する”建設業・私たちの主張』の中から平成23年度「国土交通大臣賞」を受賞された作品をご紹介します。
東日本大震災という凄まじい現場を体験されたとは言え、他人に感謝されることで人の心は変わります。
ぜひ一年間のテンションを持続する“発奮材料”にしてください。

『 建設業の3K 』
「建設業って3Kなんでしょう?」それは大学時代の友人達と久々に集まり、居酒屋で飲んでいる時のことだった。私は友人達に、建設業で働いていると言うと、返す刀でこう言われた。私は心の中で「やはりまた言われたか・・。」と呟いた。

こう誰しもに言われると、もはや建設業の合い言葉ではないかと思えてくる。建設業は、「きつい」・「汚い」・「危険」。これら3つを合せて通称「3K 」。残念ながらこれが世間の目というやつだ。私はそれを言われるとムカっとするが、言い返す言葉が上手く出てこない。それは内心、私自身も建設業のイメージが3Kに近いものと感じていたからだ。

その日も私は、自分でも何か良く分からない事を言い、有耶無耶にして話題を逸した。私はその場ではっきりと、「建設業は本当は素晴らしい職業なんだ!」と言う事ができなかった。私は何かモヤモヤしたまま友達と別れた。

そんなモヤモヤを抱えていても日々の仕事はやってくる。それは護岸の復旧工事をしている時の事だった。今までに体験したことのない凄まじい揺れが現場を襲った。私は堤防の上で立っていることもできなかった。それは後に「東日本大震災」と名付けられる大地震だ。幸い私の住む山形県の被害はそれほどではなかった。しかし、すぐ隣の宮城県は壊滅的な被害を被っていた。

地震から2週間ほど経ち、先立って私は被災地の石巻市に行くことになった。「何とか石巻の人の力になりたい。よーし、やってやろう!と熱い気持ちになっていた。だが実際に石巻市に着いてみると、そこは想像を遥かに超える光景だった。私は呆然と立ち尽くした。これはもうどうしようもないのではないか・・・。正直そう思ったのだ。

来る前の熱い気持ちも、いつの間にか何処かに消えてしまったようだ。私は瓦礫の中をボーッと歩いていた。しかしそんな私をハッとさせる光景が目に入ってきた。それは陸上自衛隊と建設業者が、必死に瓦礫処理をしている姿だ。
その建設業者の必死な姿に、私は心の底から「感動」した。同時に、言葉では言い表せない熱いものがジワジワ体を駆け巡った。その時、すぐ側にいた地元の人がこう言ってきた。「自衛隊と建設業者には本当に感謝しているよ。自分たちも危ないのにこんなに頑張ってくれて・・。」

私は建設業に携わり、こんなに心のこもった「感謝」の言葉を聞いたのは初めてだ。無論、それは作業をしている人たちへの感謝の言葉なのだが、同業者だからか、何故か私も誇らしくなってしまった。その時私は思った。困っている人にこんなに貢献できる建設業が本当に誇らしく、なんて凄い職業なのかと。以前からあった私の中のモヤモヤが消えた瞬間である。この時から、私の中の3Kは全く違う形のものとなった。

「感動」、「感謝」、「貢献」。私が自然と建設業に感じた言葉だ。それは私の中でも悪いイメージだった建設業をガラリと変えてくれた新しい「3K」となった。

今では建設業と言えば、悪いイメージが先行されがちだった。しかし、建設業の役割は計り知れないものがある。衰退産業だと言っている場合ではない。東北も建設業も、これからもっともっと盛り上げていかなければならない。その一員になるために、私も日々努力して勉強していこうと思う。私に以前のようなモヤモヤは無い。私には心強い、新しい「3K」がついている。

建設業のイメージを変えるためには、建設業者が自ら立ち上がるしかない。私はまず、このあたらしい「3K」を私の周りから少しずつ広めていきたいと思う。最後になるがこれだけははっきりと言いたい。
「建設業は本当に素晴らしい職業です!」
                  (長文の為、抜粋してご紹介しました。)
                                     新浜 恵子

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