[ 2012年7月6日 ] 経営事項審査(経審)とは・・・? その②
公共工事の入札に参加する為には、「経営事項審査」を受けて「経営規模等評価結果通知書、総合評定値通知書」の交付を受けなければなりません。その流れについては前回お伝えしました。
今回はその審査の中でも「経営規模等の評価」について詳しく見ていきたいと思います。
この平成24年7月1日より「社会性等 / 労働福祉の状況」について審査基準の改正がなされました。なぜこの改正がなされたのか、背景として以下のような状況があります。
「労働福祉の状況」とは雇用・医療・年金保険、すなわち保険の加入状況についての審査です。
現在、建設業界に於いては、下請企業を中心として保険未加入の会社が多く存在し、このことが労働者の公的保証が確保されないことに加えて、若年者の就労減少の一因となっています。そして、適正に法定福利費を負担する企業ほど競争上不利になるという状況が生じていることも事実です。
そこで今回の改正では、建設業許可申請時における保険加入状況の確認、指導(保険に加入していなくても許可は取得できますが必ず加入するよう指導されます)、及び経営事項審査に於いて社会保険未加入企業への減点措置の厳格化が図られました。
【経営事項審査による社会保険未加入企業への減点措置について】
○旧制度 ・・「雇用保険」、「健康保険及び厚生年金保険」の2項目で審査 未加入の場合はP点換算で最大85・5点の減点(1項目42.75点減点)
○今回改正・・「雇用保険」、「健康保険」、「厚生年金保険」の3項目で審査 未加入の場合はP点換算で最大171点の減点(1項目57点減点)
経審の評点は直接受注金額に影響するため、1点の重みは大きいものがあります。保険加入が当然で未加入の場合は減点という考え方の基に非常に厳しい措置となっています。
※P点とは格付けの基準となる評点のことで、通常「経審の点数」と言っている数値です。
それぞれのお会社に於いては法定福利費の負担も考えるところではありますが、やはり良い人材の確保、社会的信頼等も含めて関係法令は遵守していただきたいと思います。
又、技術力における「技術職員数」、建設機械の保有状況等についても、事実を証明するための資料が細かく定められており、日頃から正確な事務処理を行うことが必要です。
今後、国の指導としても建設業界の発展に必要な人材の確保、そして公平で健全な競争環境を構築するとして、ますますコンプライアンスは厳しく問われてくると考えられます。
皆様の疑問や不安などがありましたらお問合せ下さい。いつでも経験豊富なスタッフがお待ちしております。
新浜 恵子
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